良い医者のたとえ|「四諦」という教えについて

ちしょう
ちしょう

本記事は「雑阿含経巻第15-389」の内容を基に作りました。

ちしょう
ちしょう

四諦:良医のたとえ

弟子1
弟子1

釈迦さん師匠がはじめて仏法を説いた時は、どんな話をされたのですか?

弟子2
弟子2

私は四諦の教えが、初転法輪と呼ばれる最初の説法って聞いたことがあるのですが?

お釈迦さん
お釈迦さん

それは、その失敗を踏まえて、一生懸命考えて、お話した話ですね。

弟子1
弟子1

是非、その四諦のお話をお聞きしたいです。

お釈迦さん
お釈迦さん

四諦ですから、四つ、要点があります。

①苦諦、②集諦、③滅諦、④道諦の四つです。

弟子2
弟子2

それなら聞いたことあります。

ちなみに諦は、真実って意味ですよね。

だから、①苦諦は苦しみの真実という意味になりますよね。

お釈迦さん
お釈迦さん

んー。端的に言えば「苦がある」ってことですね。

弟子1
弟子1

「苦しみがある」というのは、避けられない事実ってことですか。

弟子2
弟子2

②集諦は、集が「湧き上がる」って意味ですね。例えば、感情や欲望だったりしますよね。

お釈迦さん
お釈迦さん

苦しいことがあると、私たちは様々な反応をします。いろいろな気持ちが沸き上がり、行動しようという欲や力が生じます。

弟子1
弟子1

それが「煩悩」ってやつですか?

お釈迦さん
お釈迦さん

感情や欲望は、場合によっては、私達を煩い、悩ませることがありますから、煩悩っといっても差し支えありませんが、私がここで言っているのは「湧き上がるという事実」というだけです。

弟子2
弟子2

①「苦があるという事実」②「湧き上がるという事実」

ということは、③滅諦は、滅するという事実ということですか?

弟子1
弟子1

消滅、無くなるってこと?

弟子2
弟子2

でも、それじゃあ「苦がある」のが真実だっていうことと矛盾しない?

弟子1
弟子1

あ、そうだね。

お釈迦さん
お釈迦さん

滅というのは「変化する」ってことですね。

あらゆるものは変化しています。

 

私は苦しみを解決したくて出家しましたが、苦もまた、変化するといった所でしょうか。

弟子2
弟子2

お釈迦さんししょうは、苦しみの解決を求めて出家されたので、③滅諦は「苦しみの解決」と言ってもいいのでしょうか。

 

そして④道諦というのは、その解決の道ってことでいいんですよね?

お釈迦さん
お釈迦さん

そうですね。それが、仏道という道です。実際、私達が歩んでいる道ですよね。

 

端的にいうとこんな感じですが、詳しく説明するとかなり長くなってしまいますが、どうしますか?

弟子1
弟子1

端的とおっしゃいますが、ここまでの話でも、いろいろと考えなければならないことがたくさんあって……。

お釈迦さん
お釈迦さん

ならば、今回はここまで話した四諦の教えをもっと伝わりやすいように「お医者さんのたとえ話」をしましょうか。

弟子1
弟子1

是非、お願いします。

お釈迦さん
お釈迦さん

まず、お医者さんは「病い」の事をよく知っていますよね?

弟子1
弟子1

病気ですか?

弟子2
弟子2

病気だけでなく、怪我なども含めて「病い」ってことでいいんですよね?

弟子1
弟子1

ああ。病気やケガで辛い・苦しいってなる。①苦諦の所とリンクしているわけですね。

お釈迦さん
お釈迦さん

「病いを知る」ことは、お医者さんにとって欠かせません。良医良い医者は「病いのことをよく知る」ということです。

弟子1
弟子1

そりゃそうですね。

お釈迦さん
お釈迦さん

一言で病気いっても色々な病気があります。

「これはこの病気だな」「こういう症状ならこの病気」「でもこの症状もあるならまた違う病気」というように……。

 

良医は、「①種々の病いについてよく知っています」

弟子1
弟子1

「病い(苦しみ)をよく知る」

苦諦ってそういう事ですか。

お釈迦さん
お釈迦さん

では、病いとは何でしょうか?

どうして病いとなるのでしょうか?

弟子2
弟子2

病気には病原があるってことですよね?

風邪をひくにもウイルスという病原体がいるようなもの。

 

その病気の原因をよく知っているのが、良い医者ってことですね。

弟子1
弟子1

ん? 病気になって苦しいと思うのは、病原体が私たちの中に侵入してきて、私たちの中でいろいろな反応が起きるから苦しいんじゃないの?

弟子2
弟子2

ああ、確かに。必ずしも、病原体だけで病気になるわけじゃないね。

 

花粉症みたいに、人によって、症状が全くない人から重度の症状が出るように……。花粉だけが原因じゃないね……。

お釈迦さん
お釈迦さん

この病気は風(空気や飛沫等)によって起こる。内臓の腫れを起こす。せきやたんを引き起こす。冷えを起こす。こういう事によって起こり、こういうタイミングで引き起きる……etc

良医というのは、それをよく知っていますね。

弟子2
弟子2

病原のみならず、どういう症状か、どういう原因で起こって、どのタイミングで起きるか……。

弟子1
弟子1

その病気のメカニズムをよく知っているということか……。

弟子2
弟子2

それなら人体の事もよく知ってないといけないね

お釈迦さん
お釈迦さん

私達の身体の事、病原体、病気のメカニズムなど、よい医者は「②どのようにして病いが起こるのかをよく知っています」

弟子2
弟子2

何をもって病いというのか……。よく考えないといけないね。

お釈迦さん
お釈迦さん

そして「③よく病いを知って治療する」。これも良医にとって欠かせないですね。

弟子1
弟子1

診察して、治療してくれますね。

弟子2
弟子2

そうだね。薬を塗ってくれたり、薬を処方してくれたり、症状に合わせて、対処法を教えてくれたり、色々してくれますよね。

弟子1
弟子1

温めたり、冷やしたり?

弟子2
弟子2

そうそう。鼻や耳を洗ったり、汗を拭いたり、看護してくれるのも全て、医療には欠かせない大事なことだよね。

弟子1
弟子1

衛生面も大事だね。

弟子2
弟子2

一言で治療といっても色々な処置があるね。

お釈迦さん
お釈迦さん

よく病いを知ってよい治療をしてくれる。それが良いお医者さんです。

 

そして、「④その病気が完治したか、また再発したり、他の病気にならないか。それを考る」ことも、良いお医者さんには欠かせません。

弟子1
弟子1

そうですね。治療は何も一回きりとは限らないですもんね。

弟子2
弟子2

完治するまでの道のりは、その病いによっても様々ですもんね。

弟子1
弟子1

そして治療が終わったら、それで終わりではないですもんね。

弟子2
弟子2

再発や他の病気にならないように、予防するのもまた大事なことだね。

お釈迦さん
お釈迦さん

よく病いを治すということを知って、さらに再発なども予防する。それが良いお医者さんです。

弟子1
弟子1

四諦の教えってそういう事なんですね。

お医者さんに例えるとわかりやすいですね。

弟子2
弟子2

そうですね。私も、お医者さんのたとえを参考に、四諦について具体的に考えると、見落としていた所があったことにも気がつきました。

弟子1
弟子1

ありがとうございました。


補足

  • 出典:雑阿含経巻第15-389

(三八九)如是我聞。一時佛住波羅㮈國仙人住處鹿野苑中。爾時世尊。告諸比丘。有四法成就。名曰大醫王者。所應王之具王之分。何等爲四。一者善知病。二者善知病源。三者善知病對治。四者善知治病已當來更不動發。云何名良醫善知病。謂良醫善知如是如是種種病。是名良醫善知病。云何良醫善知病源。謂良醫善知。此病因風起。癖陰起。涎唾起。衆冷起。因現事起。時節起。是名良醫善知病源。云何良醫善知病對治。謂良醫善知種種病。應塗藥應吐應下應灌鼻。應熏。應取汗。如是比種種對治。是名良醫善知對治。云何良醫善知治病已於未來世永不動發。謂良醫善治種種病。令究竟除。於未來世。永不復起。是名良醫善知治病。更不動發。如來應等正覺。爲大醫王。成就四徳。療衆生病。亦復如是。云何爲四。謂如來知。此是苦聖諦如實知。此是苦集聖諦如實知。此是苦滅聖諦如實知。此是苦滅道跡聖諦如實知。諸比丘。彼世間良醫。於生根本對治。不如實知。老病死憂悲惱苦根本對治。不如實知。如來應等正覺。爲大醫王。於生根本。知對治。如實知。於老病死憂悲惱苦根本。對治如實知。是故如來應等正覺。名大醫王。佛説此經已。諸比丘聞佛所説。歡喜奉行
(大正No.99, 2巻105頁a段24行-b段20行)

SAT大正新脩大藏經テキストデータベースより

  • 国訳一切経阿含部2巻15頁

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