すべては燃えている|煩悩を火に喩えて

ちしょう
ちしょう

本記事は「雑阿含経巻第8-197」の内容を基に作りました。

一切は燃えている

弟子A
弟子A

〇△◆◎□×●!!!

弟子B
弟子B

●▲◇◎■×〇!!!

弟子1
弟子1

またケンカですか……?

弟子B
弟子B

ケンカじゃないですよ!

弟子2
弟子2

また言い争いになっているじゃないですか。

弟子B
弟子B

だって、どう考えても私の方が正しいですもん。

弟子A
弟子A

いや、私の考えの方がいいに決まってる。

弟子B
弟子B

でもあなたの考えは間違っている!

弟子A
弟子A

悪いのは君の考えのほうだ!

弟子2
弟子2

あ、お釈迦さん師匠

弟子A
弟子A

あっ。ヤバ

弟子B
弟子B

また、怒られちゃう。

お釈迦さん
お釈迦さん

一切すべては燃えている

弟子A
弟子A

え?

いや、燃えてないですよ。

お釈迦さん
お釈迦さん

眼は燃えている。

弟子B
弟子B

さすがに眼が燃えていることなんてないですよ。

お釈迦さん
お釈迦さん

眼に映る景色、姿、感覚、認識。目に映るすべては燃えている。

弟子A
弟子A

何言っているんですか。そんな燃えているものなんてないですよ。

お釈迦さん
お釈迦さん

これは見るに堪えないと感じるもの、これはずっと見えていたと感じるもの、眼中にないもの。どれもこれも、燃えている。

弟子B
弟子B

んー。そりゃあ、世界のどこかで燃えているものはあるかもですが……

お釈迦さん
お釈迦さん

耳も、鼻も、舌も、身も、心も、すべて燃えている。

弟子A
弟子A

いや、自分のどこも燃えていないですって。

お釈迦さん
お釈迦さん

聞こえる音も、香りも、味も、触れるもの、感じる・考えるもの、すべて燃えている。

弟子B
弟子B

私の知る限り、この周りで燃えているものなんてないですってば。

お釈迦さん
お釈迦さん

一切は燃えている。

弟子B
弟子B

いや、おかしいです! 自分は燃えていません……。

弟子A
弟子A

一体、何によって燃えているというのですか!?

お釈迦さん
お釈迦さん

貪欲の火によって燃えている。

怒りの火によって燃えている。

愚かの火によって燃えている。

弟子1
弟子1

自分のしていることで、どんどん自分に火がついているんですね……。

弟子2
弟子2

煩悩の(煩い悩ませる)火に気づいてないってことですね。

弟子A
弟子A

そういうことか……。

弟子B
弟子B

私達は燃えているのか……?

弟子2
弟子2

いつか、あなた達自身が、その火によって、火傷している事に気づくんですよ。

弟子1
弟子1

あなた達というけど、自分はどうなのさ?

弟子2
弟子2

え……?

あ……。

お釈迦さん
お釈迦さん

一切は燃えている

弟子2
弟子2

そういえば、無意識に、あなた達二人の事だと思っていたけど、私自身の事でもあるのか……。

弟子A
弟子A

私も燃えている

弟子2
弟子2

私も燃えている

弟子1
弟子1

お釈迦さん師匠もって事ですか?

お釈迦さん
お釈迦さん

一切は燃えている


補足

  • 出典:雑阿含経巻第8-197

(一九七)如是我聞。一時佛住迦闍尸利沙支提。與千比丘倶。皆是舊縈髮婆羅門。爾時世尊。爲千比丘。作三種示現教化。云何爲三神足變化示現。他心示現。教誡示現。神足示現者。世尊隨其所應。而示現入禪定正受。陵虚至東方。作四威儀。行住坐臥。入火三昧。出種種火光。青黄赤白紅頗梨色水火倶現。或身下出火。身上出水。身上出火。身下出水。周圓四方。亦復如是。爾時世尊。作種種神變已。於衆中坐。是名神足示現。他心示現者。如彼心。如彼意。如彼識。彼應作如是念。不應作如是念。彼應作如是捨。彼應作如是身證住。是名他心示現。教誡示現者。如世尊説。諸比丘。一切燒然。云何一切燒然。謂眼燒然。若色眼識眼觸。眼觸因縁生受。若苦若樂不苦不樂。彼亦燒然。如是耳鼻舌身意燒然。若法意識意觸。意觸因縁生受。若苦若樂不苦不樂。彼亦燒然。以何燒然。貪火燒然。恚火燒然。癡火燒然。生老病死憂悲惱苦火燒然。爾時千比丘。聞佛所説。不起諸漏。心得解脱。佛説此經已。諸比丘。聞佛所説歡喜奉行
(大正No.99, 2巻50頁b段14行-c段6行)

SAT大正新脩大藏經テキストデータベースより

国訳一切経阿含部1巻171頁

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