禅僧がおすすめする名シーンが仏教に通じる小説「十二国記」

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先日、本屋さんに行くと、十二国記のコーナーが目立つ所にありました。

今年2019年の10月、11月に待望の新刊がでるようで、少しテンションがあがりました。

実はこの「十二国記」は学生時代からずっと私の本棚の中にあります。

十二国記

十二国記は、小説でシリーズとなっています。ジャンルは、ファンタジーですかね。

名言、名場面の所は、私にとっては仏道に通ずるものを感じさせるものがたくさんあります。

一巻ずつ購入の際は、「上・下二巻」の物もあるので、注意してくださいね。

以下刊行順

  1. 月の影 影の海(1992)
  2. 風の海 迷宮の岸(1993)
  3. 東の海神 西の滄海(1994)
  4. 風の万里 黎明の空(1994)
  5. 図南の翼(1996)
  6. 華胥の幽夢(2001)
  7. 黄昏の岸 暁の天(2001)
  8. 丕緒の鳥(2001)
  9. 白銀の墟 玄の月(2019)

その他『魔性の子(2012)』が、episode.0として刊行されています。

魔性の子は、8「丕緒の鳥」の後に読むことをお勧めします。

本との出会い

私とこの本との出合いは、大学生の時です。

大学生活の第一歩目である寮生活でつまづき、入って間もなく退寮しました。

時期が時期だけに、入居先を見つけるのも一苦労。なんとか入居先を見つけ「さて、これから大学生活がどうなるのか……」という不安を抱えながらの引っ越しでした。

こんな形ではじまってしまった初めての一人暮らし。何気なくテレビを付けた時、この十二国記のアニメをやっていました。

話の途中で、話の流れもわからなかったのですが、何だかとても気になって、魅入っていました。読んだ人は分かると思うのですが、ちょうど陽子が楽俊のことで葛藤するシーンのあたりでした。

どうしても最初から観たくなったのですが、当時はアニメのネット配信などありません。

タイトルを頼りに調べると、どうやら小説があるらしい……。

今まで小説や本を最後まで読んだことが無かったのですが、初めての一人暮らしということもあって、挑戦の意味も込めて、この本を買いに行きました。

どんな本?

それまで、私は別に読書家でもなく、小説もまともに読んだことはありませんでした。

それどころか、夏休みの読書感想文で読まされる課題図書も、まともに最後まで読んだことがありません。

しかし、この本は、そんな私を夢中にさせてくれました。おそらく、その時の私の心情とも合っていたのかもしれません。

大学生活が始まって早々につまづき、不意に始まってしまった初めての一人暮らし。東京という大都市で最初にできたつながりではつまづき、今まで培ってきた地元のつながりもなく、増すばかりの不安。

いや、それだけではありません。何にせよ、私はこの本の主人公にひどく共感していました。

今まで長編小説を読んだことない私が、3日とかからず一冊を読み切り、次巻を手に取っていました。

学生時代、それだけ夢中になり、とても惹きつけられた作品だったわけですが、禅や仏教を真剣に学びはじめてからは、この本の興味深さおもしろさはより一層増しました。

なぜなら、この本の随所で仏道に通ずるものを感じるからです。もちろん、仏教用語なんて一切ありません。しかし、その根っこには、私が仏教や禅から学んだ事に通ずることがたくさんあると感じました。

別に、これは仏教に共通点があるというだけの話ではなく、私達人間が、日頃から感動したり、興味深さおもしろさを感じたり、共感する所、あるいは大切だと感じる所には、通じるものがあると私は思うのです。

単に私が、仏教や禅からそれを感じ、また他の様々な出来事からそれを感じるように、この本からも、それを感じたのでしょう。

言い換えれば、仏教や禅も「その大切な何か」を表現したうちの一つにすぎません。他の様々な事、例えば仕事やスポーツ、単純な作業から日常の行動に至る様々な事、全てにおいても、それはあると考えています。

以上、簡単ではありますが、二十数年越しに、私がまともに書いた読書感想文でした。

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