不思議な認識の力:実物じゃないのに絵を見てそれとわかる

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この絵に描かれている動物は何でしょう?

そうです。にわとりです。

人間が絵を見て、それがなんだか分かる。認識する。一見当たり前にようなことだけど、私はこれがすごいと感じます。

どうしてすごいかといえば、絵というのは、言ってみれば、線や色の組み合わせです。本物と比べると一目瞭然ですが、実物とイラスト(絵)は全然違います。

もちろん模写や実写している絵もありますが、そうでなくとも私達人間はそれがにわとりであればにわとりだとわかります。

私はこれがとても不思議に思います。

この不思議に気づいたのは、子供に絵本を読んでいる時でした。

絵本の中に出てくる動物たちを子供がどんどん覚えていく。カニの絵ならカニ。ワニの絵ならワニ。ペンギンならペンギンなど……。

それだけなら不思議ではないのですが、それは作者が変わっても、絵のタッチが変わっても、覚えた動物は大抵分かっていました。

作者が変われば当然、絵の描き方は全然違います。にわとりのイラストですら、千差万別です。

それがなぜ、にわとりならにわとりだと分かるのか、私は不思議に思いました。

さらに驚いたのは、実際に本物を見たことがないはずなのに、本物を見てちゃんと分かることです。

子供と動物園に行くと、虎やペンギンなど普段見ることのできない動物がたくさんいますが、そんな今まで見たことがあるはずのない動物ですら、「あ、虎!」「ペンギンさん!」とちゃんと分かっているのだから不思議です。

それは決して他人事ではなく、自分も知らないうちにしているのだから、余計不思議です。

ひょっとしたら絵だけに限らず、文字も似たようなものかもしれません。象形文字みたいに絵から文字になった文字もありますから。

ただ、大人は文字や知識のほうに固執して、子供にように素直に現実を見れなくなることがあるので、この不思議な力には注意が必要かもしれません。現実の方を否定したりとか……。

何にせよ、自分は自分を知っているようで、全然知らない。いろんな角度から見れば、まだまだ新しい自分の見え方、感じ方はあるんだと私は思うのです。

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