カンボジア寺院での一日

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本記事は、2013年11月、 シャンティ国際ボランティア会(SVA)が企画して下さったカンボジア仏教ツアー(カンボジアの仏教文化を訪ねるツアー)に参加した際に訪れたアンロンウェル寺院に関する記事です。

私達はここで一泊し、カンボジアの仏教(上座部仏教)の寺院の一日を体験させていただきました。

上座部仏教と大乗仏教

仏教には大きく分けて二つの流れがあります。それが上座部仏教と大乗仏教です。

上座部仏教は、インドから南の方のスリランカやカンボジアなど、東南アジアへと伝わりました。

一方、大乗仏教は、インドから北の方、中国、日本など、東アジアへと伝わりました。

分裂当時の両者の特徴を簡単に言えば、伝統派の上座部仏教、革新派の大乗仏教と言えると思います。

今回のアンロンウェル寺院への訪問は、私達大乗仏教の日本人僧侶と、上座部仏教のカンボジア僧侶との交流になります。

アンロンウェル寺院の一日を体験

晩課

午後に寺院到着後、まず晩課(夕刻のお勤め)

寺院のお坊さん達が読経した後、日本式で法要をさせていただきました。

瞑想

続いて晩課後、しばらくの瞑想の時間。

 私達の言い方としては坐禅ですね。

カンボジア僧侶と日本人僧侶の交流

 その後、日本の仏教について紹介しました。

 日本仏教の紹介後、日本の仏教についてたくさん質問を受けました。

カンボジアのお坊さんは、日本の仏教について興味津々。とても盛り上がりました。

上座部仏教のお袈裟

続いてカンボジアの仏教(上座部仏教)のお袈裟のつけ方をレクチャーしてくれました。

レクチャーしてくれた方たちと記念撮影。お袈裟の着心地はとても涼しくて快適でした。私が着ていった作務衣よりも、かなり着心地よかったです。

ちなみに後でご紹介する托鉢時に、日本の僧侶の恰好(法衣+お袈裟or絡子)で参加された方もいたのですが、すごく暑そうでした。作務衣だけでも暑いのに、当然と言えば当然ですが。

カンボジアでは、とても日本の恰好はできそうにないなと思いました。逆に言えば、日本の寒さの中ではカンボジアのお袈裟は着れそうにないです。やはり、それぞれの気候に合った服装なんだなと思いました。

そう考えると、その昔、インドから中国に入った僧侶の方が、中国の厳しい寒さに震えているのを想像しました。

それを見た中国の人達が、「これをどうぞ着てください」と言って、自分たちの着ている衣を手渡してくれた。当時インドから来た僧侶が滞在する場所と言えば、中国の役所。(昔、中国の役所は、寺院と呼ばれていました)

ということで、役人の人たちの服装を下にして、上にお袈裟をつけるようになった。

それで今の日本のお坊さんの姿、法衣+お袈裟の姿になったのだと想像できますね。

学校

翌日朝、3時半に起床し、朝課(朝のお勤め)、瞑想、そして朝食のお粥を頂きました。その後、カンボジアの多くのお坊さんは学校に行きます。

寺院には仏教学校があり、授業があります。私達は見学にいきました。

授業風景。パーリ語(日本人の感覚で言えば、漢文のようなもの)など、仏教に欠かせない勉強の他に、義務教育と同じ科目も勉強します。

カンボジアでは、仏教学校は大切な教育施設となっています。

公立の学校もありますが、費用もかかるため、貧困層の子供たちは学校にいくことができません。そのため、勉強するために出家して、お坊さんになり、仏教学校に通う人達もいます。お坊さんになると、費用が掛からないためです。

出家の感覚は日本と違って、上座部仏教では、お坊さんになるため出家しても、簡単に還俗(お坊さんをやめること)ができます。中には2、3回出家と還俗を繰り返す人がいると聞きました。

お坊さんの間に学業を積み、大人になってから還俗し、仕事を見つけ、家庭を支える人達もいます。

托鉢

学校見学が終わったら次は托鉢に参加しました。托鉢というのは、簡単に言えば、僧侶が鉢を携えて町や村を歩き、食などを乞うことです。

持っている銀色の鉢、ここにご飯を入れてもらいます。日本では応量器とも呼ばれています。私達は作務衣の恰好で参加させていただきました。

日本のお坊さんがカンボジアのお坊さんに交じって一緒に托鉢させていただきました。

日本で托鉢と言えば、金銭をもらうことが多いですが、こちらでは、食べ物を頂きます。元々托鉢はお釈迦さんの時代から、このように村を廻って、食べ物を頂いていました。

沙弥さんとのお話

托鉢後、沙弥さんとお話の時。子供のお坊さんのことを沙弥呼びますが、カンボジアでは沙弥さんも多いです。お話した沙弥さんはお母さんが亡くなってお寺に入ったと聞きました。

他にもカンボジアでは、沙弥としてお寺に入る子供の中には、口減らしのため沙弥となる事もあるそうです。昔の日本ではよくあったことだと聞いてはいましたが、現代の日本との違いに驚きを感じました。

お寺に住む在家の人々「ドンチー」「アチャー」

托鉢で頂いた飲食を、お寺にいる在家の人達が用意してくれています。ドンチーやアチャーと呼ばれる人達です。

食事

上座部仏教では、ご飯は午前中しか食べません。私達も托鉢で頂いた食べ物を頂きました。

最後に

アンロンウェル寺院の住職さん。貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。


カンボジア仏教ツアーを主催して頂いたに シャンティ国際ボランティア会(SVA)では、 もので寄付するプロジェクトという支援プログラムがあります。その活動の一環として当寺院でもハガキを集めていますので、ご協力いただける方は是非お願い致します。

他にも各個人で支援できることがありますので、詳しくは上記のSVAホームページをご覧ください。

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