▽原作「仏教トーク」
弟子の○○第一という異名について
今回の話は、原文ではコーシラ(倶絺羅<Kauṣṭhila>)とサーリプッタの対話として経典に載っています。
この話を訳した頃は、まだ仏教トークを書き始めたばかりでした。この時はコーシラさんのイラストを用意せず、代わりに弟子1と弟子2に置き換えて作る事にしました。(今では、コーシラさんが出てくる形で書けばよかったと思っていますが、今のところ書き直す予定はありません)
漢訳の原文では、サーリプッタさんが問い手、コーシラさんが答え手となっています。ただ、パーリ仏典では、その問い手と答え手が反対になっているようなので、今回の構図は、パーリ仏典の方を選んだという事になります。
コーシラさんは、サーリプッタさんの叔父にあたる人物と言われています。また、問答第一とも呼ばれ、智慧第一の異名を持つサーリプッタさんに負けず劣らず、巧みな弁舌を用いる弟子だったとも言われています。
ところで、仏教の弟子の中には、コーシラさんやサーリプッタさんのように○○第一と呼ばれる異名があります。
お釈迦さんの下には、多様な性格(キャラクター)を持った人達が集まりました。その中でも優れた特性を持つ人達は、後に○○第一と異名をもって呼ばれるようになりました。
また後に、その○○第一と異名を持つ弟子の中から、十人の弟子を列挙して、十大弟子と呼ばれました。
私が最初に十大弟子の存在を知った時は、お釈迦さんの弟子の中で特に重要な役割を果たした人物が十人おり、その人達が○○第一という異名を持っていると思っていました。(つまり全部で十大弟子は十人しかいないと思っていました)
一般的な仏教の参考書等で十大弟子として取り上げられている人物は「維摩経弟子品」がその基になっています。
- 智慧第一 舎利弗 サーリプッタ
- 神通第一 大目犍連 モッガラーナ
- 頭陀第一 摩訶迦葉 マハーカッサパ
- 解空第一 須菩提 スブーティ
- 説法第一 富楼那 プンナ
- 論議第一 摩訶迦旃延 カッチャーナ
- 天眼第一 阿那律 アヌルッダ
- 持律第一 優波離 ウパーリ
- 密行第一 羅睺羅 ラゴラ
- 多聞第一 阿難 アーナンダ
ここには問答第一としてコーシラさんは載っていませんね。
しかし、経典中に登場する様々な弟子を知ると、これが誤解だという事に気づきました。十大弟子と呼ばれるお釈迦さんの弟子は、何も十人だけというわけではありません。
この十大弟子として名前が挙がっている人物は、文献によってバラバラだからです。
比丘(出家した男性修行者)、比丘尼(出家した女性修行者)、優婆塞(在家の男性信者)、優婆夷(在家の女性信者)、出家在家問わず、○○第一と異名も持つ弟子は数多くいます。
仏教トークで取り上げた人物はこちらにまとめています。
○○第一という異名を持つ弟子についても、今後こちらの記事で増えていくかもしれません。
▽音源素材
VOICEVOX:波音リツ
VOICEVOX:玄野武宏
VOICEVOX:白上虎太郎
VOICEVOX:WhiteCUL
VOICEVOX:雀松朱司
VOICEVOX:麒ヶ島宗麟
効果音ラボ
▽動画編集ソフト
▽イラスト素材
イラストAC
▽荒村寺(曹洞宗)
▽クリエーターページ(note)
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