▽原作「仏教トーク」
無明と愚癡について
「無明」「愚癡」は仏教の煩悩のうちの一つ。今回の仏教トークを編集する上で無明と愚癡の細かいニュアンスについて気になったので、少し調べてみた。
基本的に、この無明と愚癡は、仏教学では、同じ意味として捉えられている。
教学用語としての<愚癡>は<無明>と同じで、仏教の教えを知らず、道理やもの事を如実に知見することができないことをいう。
三毒という言葉があり、それは「貪欲」「瞋恚」「愚痴」の三つとなる。これらは三大煩悩とされている。
一般的に、①貪欲=欲望、②瞋恚=怒り、③愚痴=無知(無明)と理解されている。これはあくまでも表面的なことで、理解する最初の入り口としてはわかりやすいが、どこまでも深く掘り下げていける話である。
今回はテーマは、③の「愚癡」「無明」について。私自身もほとんど同じ意味として捉えているが、わざわざ二つの言葉があるという事は、やはり微妙に意味が違う。それは語源からも言えることで、無明(avidya)、愚癡(moha)である。
無明について
無明については経典においては次のように書かれている。(ちなみの今回の動画はこの経典をもとに作った。以下のリンク先にも原作仏教トークにも原文をのせている)
漢文
謂無明者。云何爲無明。尊者舍利弗言。所謂無知。
書き下し
いわゆる無明とは、如何が無明と為す。尊者舎利弗いわく、いわゆる無知なり
国訳一切経阿含部1巻204頁より
訳文
とあります。この後には、経典内の言葉を要約するとこのようにある。
動画で無常の話をもってきたのは、この辺りの話が経典であったからだ。
「事の実際をそのまんま見ず、知らず。これが無明である」
以上から、無明というのは無知、知らないという意味合いが強いように思える。
愚癡について
一方で愚癡は日本語で言う「愚かさ」という意味に近いように思える。
愚癡に「癡」も同じく「愚か」という意味である。
これはあくまでも諸説ある中の一つであるが、愚癡の語源であるmohaは、音写(音をそのまま漢字に当てはめる)と「莫迦」となる。バカの語源はここから来ているとの説もある。
ただし、「愚か」「莫迦」に関しても、現代一般的使われる意味と仏教の意味とでは違いがあることに留意したい。
愚癡についてはこちらの話が参考になる。
▽音源素材
VOICEVOX:波音リツ
VOICEVOX:玄野武宏
VOICEVOX:白上虎太郎
VOICEVOX:WhiteCUL
VOICEVOX:雀松朱司
VOICEVOX:麒ヶ島宗麟
効果音ラボ
▽動画編集ソフト
▽荒村寺(曹洞宗)
▽クリエーターページ(note)
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