真夜中に現れた悪魔の問いに、お釈迦さんが恥じたこと

悪魔の問いにお釈迦さんが恥じたこと 仏教トーク49

雑阿含経巻第39-1089」をもとに構成
これはある夜のことです。
眠れないまま過ごしていたお釈迦さんの前に、やがてひとりの少年が現れました。
少年の問いは、するどいものでした。
悟った人が、なぜ死んだように眠るのか、と。
お釈迦さんはどう答えたのでしょうか。

悪魔の問い──「悟った人が、なぜ死んだように眠るの?」

お釈迦さん
お釈迦さん

ん……、目が冴えて眠れないですね……。
少し歩いてきましょうか。

お釈迦さんは、外に出て、その辺りを少し歩きましたが、全く眠くなりませんでした。

お釈迦さん
お釈迦さん

とりあえず、足を洗いますか。

気分転換に、色々しましたが、それでも眠たくなりません。

お釈迦さん
お釈迦さん

いいかげん、横になりましょうか。

しかし、横になっても眠れないものは眠れませんでした。

お釈迦さん
お釈迦さん

横になっても眠たくならないですね。
もう起きた方がいいでしょうか。

その時、お釈迦さんの前に一人の少年が現れました。

子供1
子供1

おっちゃん。なんで寝るの?
どうして眠るの?
なぜ、死んだみたいに眠るの?

お釈迦さん
お釈迦さん

人間には、睡眠が必要だからですよ。

子供1
子供1

おっちゃん。悟りを開いたんでしょ?
真夜中に明るい日の光が照らすような、そんな悟りの境地に至ったのでしょう?

子供1
子供1

そんな日の出を経験したおっちゃんが、死んだように眠る必要はないでしょう?

お釈迦さん
お釈迦さん

むしろ、目が覚めて大事なことに気づいたからこそ、私は安眠するのですよ。

子供1
子供1

さすが、悟った人は言う事が違うね。

お釈迦さん
お釈迦さん

いや、ですから————

お釈迦さんの目覚め──自分の心を知っている人のそばに、悪魔は居られない

お釈迦さんは、目を覚めましました。
どうやらいつの間にか眠っていて、夢を見ていたようです。

お釈迦さん
お釈迦さん

我ながら、夢の中でも問答していたようですね。

 

それにしても、あの少年の言葉は、まるで悪魔のささやきのようでしたね……。

お釈迦さん
お釈迦さん

しかし、こんな変な夢を見るなんて。
いやいや、我ながら恥ずかしい・・・・・・、反省、反省。

 

でも私は悪魔の言う通りの所とは、一緒になりませんよ。

 


そういった自らの心に恥じることを知っているお釈迦さん。

もし本当に悪魔がいたとしたら——「お釈迦様は、きちんと自己と向き合い、自分の心をよく知っている」と、黙って立ち去るほかなかったでしょう。

この姿勢そのものが、自然と悪魔が去る姿勢なのかもしれません。

補足

原文や動画、仏教用語の説明や関連する仏教知識など、補足として参照できます。

原文

  • 雑阿含経巻第39-1089

(一〇八九)如是我聞。一時佛住王舍城耆闍崛山中。爾時世尊夜起經行。至後夜時洗足入房。正身端坐繋念在前。時魔波旬作是念。今沙門瞿曇住王舍城耆闍崛山中。夜起經行。後夜入房。正身端坐繋念在前。我今當往爲作留難。即化作大龍遶佛身七匝。擧頭臨佛頂上。身如大船。頭如大帆。眼如銅鑪。舌如曳電。出息入息若雷雹聲。爾時世尊作是念。惡魔波旬欲作嬈亂。即説偈言 猶如空舍宅 牟尼心虚寂 於中而旋轉 佛身亦如是 無量凶惡龍 蚊虻蠅蚤等 普集食其身 不能動毛髮 破裂於虚空 傾覆於大地 一切衆生類 悉來作恐怖 刀矛槍利箭 悉來害佛身 如是諸暴害 不能傷一毛時魔波旬作是念。沙門瞿曇已知我心。内懷憂慼即沒不現
(大正No.99, 2巻285頁b段16行-c段5行)

SAT大正新脩大藏經テキストデータベースより

  • 国訳一切経阿含部3巻100頁

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